淋菌感染症アップデート

性感染症

院長の太郎です。

今日は淋病で有名な淋菌感染症について一緒に知識を再確認しましょう!!男性の感染に絞ってお話をします。

代表的にはSTI(セックスで伝染る感染症)のなかでも、男性の尿道炎が有名ですね!

原因
原因菌はNeisseria gonorrheaeナイセリア・ゴノレアっていいます。

抗菌薬耐性が増加しているのが問題になっています。抗生物質がどんどん効かなくなっているんです悲
淋菌はそれまで効果のあった抗菌薬にすぐ耐性をつけるので、どんどん使える抗生物質が減っているんです。そのうち殺しきれないスーパー淋菌が生まれるかも・・

感染経路
セックスで感染しますが、粘膜に触れた手を介した感染もありえます。必ずしも挿入で伝染るわけではないです。
外来で、心当たりのあるタイミングのセックスではコンドームをつけていたのに?と質問を受けることがありますが、オーラルセックスでも感染することをお伝えするとなるほど、とご納得されることが多いです。その時はコンドームをしていなかった!と。
咽頭感染している女性のフェラチオ、咽頭感染している男性のクンニリングスで感染します。

感染すると潜伏期が短く症状は強いことが多いので、心当たりのあるセックスがわかることが多いです。
あーーあの日そういえば風俗いったーーとか
あの日のあの娘とのエッチかーー
って言われる方が多いです。

症状
2-9日の潜伏期ののち症状がでます。自分のイメージはだいたい3日位が多いです。

排尿時にかなりの痛みを尿道に感じます。尿道が灼けるよう、と表現される方もいます。膿もかなりおおく、下着はかなり汚れます。黄色〜濃白色で、尿道を押し込むと尿道口から溢れ出します。

診断はそれでわかることが多いのですが、、
あまり強い痛みにならず、膿もそれほど出ないというケースもあります。

自分も最近、症状はムズムズする程度ということでクラミジアと考えていたら淋菌のみ陽性だったというケースを経験しました!
尿道炎は症状だけで決めることなく淋菌とクラミジアどちらも検査するのがいいですね。

オーラルセックスで喉に淋菌がつくとそこに淋菌は生着しますが、症状が出ないことが多いです。症状がないことはいいことではないんです。。
気づかずパートナーに感染させることがあるので注意が必要です。

アナルセックスで直腸にも感染しますが、こちらも症状は出にくいです。

治療しないでいると、どんどん淋菌が奥の睾丸や前立腺に進んでいって精巣上体炎、前立腺炎を起こすこともあります。

淋菌のついた指で目をこすることで、強い結膜炎症状を起こすこともあります。

治療
確実に治療するには抗菌薬の点滴がいいです。もしも喉にも感染していたとしても効果があります。
アメリカでは50%はクラミジアにも同時感染しているため、クラミジアを殺す内服薬も同時に投与することが推奨されています。

内服単独治療は耐性が進んでいることと、内服後下痢の副作用が強いため現在は推奨されていません。

まとめ
症状の強い尿道炎ですが、喉に感染しても気づきません。
尿道でも症状が出ないケースもあり、放っておくとパートナーへ感染、また自分も尿道が狭くなり排尿困難になったり不妊症になったり・・

早期治療が重要です。

性的にアクティブな方は咽頭感染を定期的にチェックしてもいいかもしれません。

咽頭感染は尿道感染よりも治りが悪いことがあるので、点滴治療後も必ず除去されていることを再検査で確認してください!

最後に
自分の感染がわかったときには、心当たりのあるパートナーには必ず伝えて検査してもらってください。
伝えにくい状況があったとしても・・・
女性は症状が出にくく、気づかずに進行してしまうことがあります。
また、せっかく治療してもまたその女性とセックスして再感染することがあります(ピンポン感染といいます)。

同時治療、これはすべてのSTIで重要です!

セックスはとても大事なコミュニケーションだからこそ、安全に楽しみましょう。

当院でお手伝いさせていただきます!!

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