AGA治療の副作用まとめ|副作用で脱毛は進行する?後悔しない治療法は?
2023/06/15
AGAは男性に見られる代表的な脱毛症ですが、現在では専門のクリニックで治療が受けられます。AGAの治療法はさまざまですが、まずは投薬治療で改善を図ることが一般的です。
しかし、投薬治療と聞いた場合に、副作用のリスクを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事ではAGA治療薬の副作用や効果について詳しく解説します。
AGA治療薬によって副作用は起こりうる
結論からお伝えしますと、AGA治療薬を服用した場合でも副作用は起こりえます。しかし、化学的に製造された医薬品には、すべて副作用のリスクがともなうため、副作用のリスクがまったくない医薬品は存在しないと言って良いでしょう。
AGAの治療に関しては、2023年現在、日本皮膚科学会によって「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」が策定されています。ガイドラインでは、AGAの治療法や副作用の可能性について述べられています。AGA治療薬の主な副作用は男性機能の低下ですが、推奨度の高いAGA治療薬を服用した場合の副作用は過度に心配するほどではありません。
AGA治療ごとの効果と副作用
AGAの治療法には、以下の6つが挙げられます。
- 推奨度A:フィナステリド内服
- 推奨度A:デュタステリド内服
- 推奨度A:ミノキシジル外用
- 推奨度B~D:植毛術
- 推奨度B:LED ・低出力レーザー照射
- 推奨度B:アデノシン外用
※推奨度は男性を基準としています。
それぞれの効果や副作用について詳しく解説します。
推奨度A:フィナステリド内服
AGA治療法のひとつが、フィナステリドを有効成分とする医薬品(プロペシアやそのジェネリック)を服用することです。フィナステリドにはAGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑止する作用があります。
ただし、フィナステリド内服薬には男性機能を低下させるリスクがあるため、妊活中の男性が服用する際には注意が必要です。また女性や未成年の服用は禁忌ですので、絶対に使ってはいけません。
推奨度A:デュタステリド内服
デュタステリド内服薬も、良く用いられるAGA治療法です。デュタステリドの働きもフィナステリドと同様に、AGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑止します。
しかしフィナステリドと同じく、男性機能を低下させるリスクがあるため、妊活中の服用には注意しましょう。また、デュタステリド内服薬も女性や未成年の服用は禁忌となっています。
推奨度A:ミノキシジル外用
AGA治療法としては、ミノキシジルの外用(毛が薄くなっている部分に塗布すること)も挙げられます。ミノキシジルには血液の循環をスムーズにする作用があります。
フィナステリドやデュタステリドとは異なる作用機序があるため、併用も可能です。ミノキシジル外用薬には頭皮のかゆみや赤み、アレルギー反応を引き起こす副作用の可能性がありますが、内服薬ほど重篤な副作用の報告例はありません。
推奨度B~D:植毛術
植毛術は自分の髪の毛を毛穴ごと切除して薄毛部分に移植(地毛植毛)したり、ポリエステルやナイロンで作られた人工毛を植え付けたりする(人工毛植毛)治療法です。日本皮膚科学会では自毛植毛に関しては推奨度B(行うよう勧めている)に設定していますが、人工毛植毛に関しては推奨度D(行うべきではない)としています。
自毛植毛は自分の髪の毛を移植する方法であるため、定着率が高く、副作用のリスクもそれほど高くありません。しかし人工毛植毛では拒絶反応を引き起こす可能性があるだけでなく、人工毛が抜け落ちた場合には自毛植毛のように再び生えてくることがありません。
推奨度B:LED ・低出力レーザー照射
LEDや低出力レーザー治療は、頭皮にLED光線や低出力レーザーを照射し、ミトコンドリアの働きを活発化させて、へアサイクル(髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期)を整えるための治療法です。AGA治療薬を用いて治療する場合と比べ、副作用のリスクが低いといったメリットがあります。
体質的な問題で投薬治療を受けられない場合に、LEDや低出力レーザー治療が勧められるケースもあります。
推奨B:アデノシン外用
アデノシンはエネルギー代謝に関わる重要な物質で、髪の毛の成長因子(グロースファクター)を増加させる効果が期待されています。発毛効果はフィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬よりも高いとされていますが、抜け毛予防の効果は期待できません。そのため、フィナステリド内服薬もしくはデュタステリド内服薬と併用するのが一般的です。副作用としては頭皮のかゆみや赤み、かぶれなどが挙げられます。
あまり推奨されないAGA治療法もある
では、あまり推奨されていないAGA治療法についても解説しています。あまり推奨されないAGA治療法としては、以下のような例が挙げられます。
- 推奨C2:ビマトプロストおよびラタノプロストの外用
- 推奨C2:成長因子導入および細胞移植療法
- 推奨D:ミノキシジル内服
ビマトプロストおよびラタノプロストは緑内障の治療などに用いられる治療薬ですが、使用した方の中にまつげが伸びた例があったため、まつげ用の育毛剤として利用されています。毛髪にも影響があると考えられていますが、現在のところ頭皮専用の医薬品は開発されていません。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでもC2(行わない方が良い)治療法とされています。
成長因子導入および細胞移植療法としては、メソセラピーやHARG療法といった注入療法、および幹細胞治療やSDHG療法(自己真皮毛包細胞移植)など知られていますが、安全性や有効性が十分に検証されているとは言えません。そのため、ガイドラインでもC2の行わない方が良い治療法に分類されています。
ミノキシジルの内服はガイドラインで推奨D(行うべきでない)治療法とされていますが、AGA治療専門のクリニックでは、ミノキシジル内服薬を利用して薄毛の改善に取り組んでいるところもあります。なぜなら、頭皮に塗布して使うミノキシジル外用薬よりも、内服薬の方が高い発毛効果を期待できるからです。
ただし、内服タイプのミノキシジルは心臓への負担を増すリスクがあるため、専門医の指導下で服用する必要があります。
AGA治療薬の副作用で、脱毛が進行することはある?
AGA治療の副作用で、脱毛が進行することは基本的にありません。しかし、AGA治療を始めてしばらく経つと、一時的に抜け毛の量が増えるケースがあります。一時的な抜け毛量の増加は「初期脱毛」と呼ばれています。初期脱毛が起こるメカニズムは、以下のとおりです。
- AGA治療薬の効果によってヘアサイクルの周期が整う
- 毛穴の内部で太く・強い髪の毛が成長し始める
- 新たに生えてきた髪の毛によって、AGAの発症で細く・弱くなった髪の毛が押し出される
つまり、AGA治療にともなう一時的な抜け毛量の増加は、治療薬の効果が現れている裏返しとも言えます。そのため、自分の判断で治療を中断しないことが重要です。初期脱毛は治療開始から2~3ヶ月ほどで治まってきます。
まとめ
AGA治療薬には副作用のリスクがありますが、厚生労働省が認可して日本皮膚科学会が推奨する医薬品を利用すれば、重篤な副作用が起こる可能性はそれほど高くありません。銀座銀クリニックでも、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で推奨度Aの治療法を採用しているため、安全・安心に治療を続けることが可能です。無料メール相談も行っているため、AGA治療に関する疑問や不安など、何でもお気軽にお問い合わせください。