性器ヘルペス。一度かかると症状が定期的にあらわれます悲

性感染症

院長の太郎です。

2019年11月30日に性感染症学会で学んだ性器ヘルペスの最近の話題についてまとめました。

性器ヘルペスとは単純ヘルペスウイルスが性器に付着した時に周囲の細胞に感染し症状を表します。性器やその周囲皮膚に炎症を伴う水疱やびらんを作り、初感染のときはかなり痛みもあります。感染したウイルスの一部は皮膚で上記の症状の原因となりますが、一部は神経節に入り込み休眠状態になります。この休眠しているウイルスが体調を崩したときなどに皮膚症状を表します。これが再発で、ヘルペスに一度罹患するとこの再発に悩まされるようになるのです。
他には口唇ヘルペスといって、体調を崩した時に口角に炎症を起こす症状が出るのを聞いたことがあるかもしれません。口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型、性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス2型が関与すると言われていましたが、今はオーラルセックスが一般的になっているので、性器ヘルペスの原因に1型ウイルスが関わることも珍しくありません。

以下は学会でのお話です。
日本では1年間に、男性が2万2千人、女性は5万2千人が罹患します。アメリカでは6000万人なんだそうです。85%は罹患したことに気づいていません。
アメリカの研究では、セックスパートナーの数と抗体保有率は相関します。ただし最近の抗体保有率は低下傾向にあり、衛生環境の改善などが理由として考えられています。
検査方法としてはTzank試験、PCRなど実際にウイルスが感染部位にいるのかを調べる方法と、ウイルス感染すると上昇する抗体を調べて上昇があるかどうかで間接的にヘルペスウイルスがいるかを調べる方法があります。IgG抗体が上昇していても、これまでに感染があったことはわかるのですが、現在の症状がヘルペスによるものと断定できません。

初感染の重症度と再発頻度は相関します。再治療頻度と神経節に潜んでいるウイルス量も相関します。
つまり、初感染の時、早期に十分な治療を行い、ウイルス量が増えることを防ぐことでその後の再感染の頻度を減らせるということです。

ヘルペス再発で感染する人のアンケートでは下記の意見が多く、生活の質がかなり低下することがわかっています。
・他人に感染する
・突然再発する
・少しでも早くなおしたい
・身近な人に感染させたくない
・忙しくて再発しても受診できない

皮膚症状が出る数日前に陰部がピリピリする、といった前駆症状を自覚する人は85%います。

海外では再発にファムシクロビル(ファムビル®)を使用するようになってきています。初期症状発症6時間以内に1000mg内服し、その6時間後に更に1000mg内服したら終了です。
この治療で1日程度早く治ることがわかっています。
治療が2回の内服で済むのがいいですね。

本当はワクチンがあるといいですよね!もちろんワクチン開発は進められているそうです。
1つは効果がなくて、もう一つは1型には効果があったけれど2型には効果が出なかったそうです。。

ヘルペスについては別のセミナーも聞いているので、そちらは別にまとめます。

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