バイアグラは男性に見られるED(Erectile Dysfunction、勃起機能の低下)の治療薬として、アメリカのファイザー製薬から販売されました。バイアグラは日本でもED治療の際に多く用いられていますが、心臓に悪いといった噂を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、バイアグラの効能や副作用などについて解説します。
バイアグラとは
バイアグラは、代表的なED治療薬のひとつです。世界初のED治療薬として、ファイザー製薬が1998年に販売を開始しており、日本でも翌1999年から専門の医療機関による処方が始まりました。
もともとバイアグラは狭心症の治療薬として開発されましたが、有効成分のシルデナフィルクエン酸塩に勃起を引き起こす作用が確認されたため、ED治療薬としても用いられるようになりました。ED治療自体はバイアグラの販売前からも行われていましたが、従来の治療法は性器自体にアプローチする手法がとられており、誰でも気軽に受けられるものではありませんでした。
しかし、バイアグラは経口投与できることから気軽にED治療に取り組めるため、ED患者だけでなく医師にとっても「夢の薬」として重宝されています。
バイアグラ以外のED治療薬
バイアグラ以外のED治療薬としては、シアリスおよびレビトラが知られています。バイアグラとの主な違いは、以下とおりです。
バイアグラ | シアリス | レビトラ | |
---|---|---|---|
有効成分 | シルデナフィルクエン酸塩 | タダラフィル | 塩酸バルデナフィル水和物 |
主な特徴 | 世界で初めて製造・販売されたため信頼感がある | バイアグラやシアリスと比べて作用が長持ちする | 水に溶けやすく効果が早く現れる |
作用の持続時間 | およそ3~5時間 | およそ20~36時間 | およそ5~10時間 |
(※作用の持続時間は有効成分の含有量によって異なります)
バイアグラの作用
バイアグラの作用について理解するためには、男性器が勃起するメカニズムについて知っておくことが重要です。男性器は、以下のような流れで勃起のに至ります。
- 男性に対して何らかの性的な刺激が加わる
- 脳脊髄が興奮して環状グアノシン一リン酸(cGMP)が合成される
- 男性器の海綿体が緩んで血液が流入する
- 男性器が勃起する
バイアグラには海綿体への血液流入を促進する作用があるため、陰茎を勃起させる効果が期待されています。
ただしバイアグラを服用したからといって、性欲が増進したり自然と勃起したりすることはありません。あくまでも正常な勃起をサポートするための治療薬であり、勃起のためには性的な刺激が必要です。
効果が出る時間
バイアグラを服用した場合、有効成分が血液中に吸収されるまでおよそ40分から1時間かかるとされています。そのため、バイアグラは性行為の1時間ほど前に服用するのが一般的です。
作用が持続する時間
バイアグラの作用が持続する時間については、有効成分の含有量によって違いがあります。国内では25㎎および50㎎のバイアグラの販売が認められています。
バイアグラの用法・用量
バイアグラには25㎎錠と50㎎錠があり、作用の持続時間に若干の差があります。基本的には性行為の1時間程度前に服用します。
25㎎錠の場合は1回につき1錠もしくは2錠、50㎎錠の場合は1回につき1錠服用します。また次回の服用までには、24時間以上空けるのが基本です。
服用の際のポイントは、空腹時に飲む点です。満腹時にバイアグラを服用した場合、有効成分が体内へと吸収されにくくなり、十分な効果を得られない場合もあるため注意が必要です。
バイアグラは水で服用するのが基本ですが、清涼飲料水やお茶などで服用してもとくに問題ありません。ただし、グレープフルーツジュースは避けましょう。なぜならグレープフルーツの成分によってバイアグラの作用が強くなりすぎたり、副作用のリスクを高めたりする可能性があるからです。
バイアグラはお酒と併用しても良い?
バイアグラとお酒の併用は禁止されていません。人によってはアルコールによるリラクゼーション作用で、バイアグラの作用を高めることが期待できます。
しかし、お酒を多量に飲んだ場合、アルコールによる勃起機能の低下が起こる可能性もあるため注意が必要です。
バイアグラの代表的な副作用
バイアグラを服用した場合、以下のような副作用を引き起こす可能性があります。
- 頭痛
- 胸やけ
2つの副作用について詳しく解説します。
頭痛
バイアグラを服用すると、副作用として頭痛を引き起こすケースがあります。発現頻度は3.87%とされています。
胸やけ
バイアグラを服用した場合、胸やけを起こす可能性があります。発現頻度は0.1~1%未満とされています。
【補足】バイアグラは心臓に悪い?
バイアグラには心臓への副作用があると思われている方も多いのですが、バイアグラの有効成分が心臓に直接負担をかけることはありません。
そのため、心臓に不安がある方は、かかりつけの医師に性行為をしても良いか確認することが重要です。
バイアグラの副作用は基本的に軽微で、一過性であることがほとんどです。しかし、副作用には医療的な内容が含まれるため、基礎疾患のある方は医療機関に相談してから服用するのがおすすめです。
また、紹介した以外の副作用が疑われるな、身体に少しでも異変を感じた場合は、使用をやめて直ちに医師に相談しましょう。
バイアグラのジェネリックとは?
バイアグラの国内での特許期間は2014年で終了しているため、現在では各製薬会社からバイアグラのジェネリック(後発医薬品)が販売されています。ジェネリックも先発医薬品と同等の効果が期待できるだけでなく、厚生労働省が定めるガイドラインの基準を満たしているため、安心して服用できます。
ただし、バイアグラとジェネリックとでは有効成分こそ共通していますが、添加物には違いがあるケースも珍しくありません。
バイアグラの入手方法
バイアグラは医療用医薬品であるため、原則として医師による処方が求められます。個人輸入でバイアグラやジェネリックを購入することも可能ですが、自己判断で海外製の医薬品を服用した場合、副作用が起こっても国による救済措置を受けられないため注意が必要です。
まとめ
バイアグラは世界で初めて開発されたED治療薬であり、日本でも多くの方が勃起機能の低下を改善する目的でバイアグラを服用されています。バイアグラには海綿体への血液流入量を増やし、勃起をサポートする働きがありますが、服用しただけで勃起するわけではなく、性的な刺激が必要となります。
副作用のリスクが比較的低いバイアグラですが、個人輸入の場合は国による救済措置が受けられません。また、バイアグラの服用中に何らかの異常が見られるようであれば、直ちに使用を中止し、かかりつけの医師に相談しましょう。
銀座銀クリニックではバイアグラをはじめとするED治療薬だけでなく、陰茎海綿体注射によるED治療も行っています。患者様のライフスタイルや体質に合わせて適切な治療法を提案しますので、ED治療をお考えの方はぜひ当院までご相談ください。